電話とFAXの配車管理が崩壊した日|記録が残らない手配の危うさ
土曜16時、「まだ回収に来ていないんですけど」という電話一本で、頭が真っ白になりました。電話とFAXだけで回していた配車の手配が崩れた日の話です。原因は連絡の行き違いですが、本当の犯人は別にありました。同じように手配の仕事をしている人に向けて書きます。
- 電話とFAXは速いが、記録が残らず、後から追えない
- 言った・言わないになった時点で、打てる手がなくなる
- 仕組みで直すなら、残ること・見えること・自分以外も分かること

顔の見えない現場の配車を、遠隔で回していた
リフォーム現場から出る廃棄物の回収を、遠隔で手配するのが私の役割でした。依頼が来て、現地の業者へこの日に行ってくださいとつなぐ。現場も業者も離れた場所にいるので、顔を合わせないまま回収を成立させます。
そして、その依頼の入り口がFAXでした。FAXで来た依頼を見て、私が電話で業者へ手配する。つながりは電話とFAXだけ。この一点が、のちに牙をむきます。
土曜回収の依頼と、一本の電話
ある日、土曜回収の依頼が入りました。中身は2つ。混合廃棄物の回収と、石綿を含むものの処分です。
石綿を含むものだけは、その日は受け入れ先が開いていませんでした。そこで先方から、その分だけ月曜へずらしてほしいと連絡がありました。私は「石綿は月曜、混合は予定どおり土曜」と電話で確認しました。確認した、つもりでした。
「それ、月曜に変更でしたよね」
土曜当日、私は休みでした。そこへお客様から電話が入ります。「まだ回収に来ていないんですけど、いつ来ますか」。
確認して折り返しますと伝えて、業者へ電話。出ません。事務所も出ません。何度もかけて、やっとつながりました。今日の回収の件だと伝えると、返ってきたのがこの一言でした。
「それ、月曜に変更でしたよね」
月曜なのは石綿の分だけで、混合は土曜のはずでした。しかし相手は全部が月曜だと理解していました。**完全に言った・言わないです。そして、証拠が何も残っていませんでした。** 電話とFAXしか使っていなかったからです。

お客様は、自分の軽トラで二往復した
今からでも回収に行けないかとお願いしましたが、その日はもう配車が終わっていて動けないとのことでした。
お客様へ電話し、手配ができていなかったことを謝りました。返ってきたのは怒号です。現場は遠方で、私はすぐには動けません。明日の朝いちばんでと言っても、もう片付けて帰らなければならないと言われました。
最後にお客様はこう言いました。「もういい。自分で持って帰るよ」。そして軽トラックで二往復し、自分のところへ運んでいきました。翌日、私は車を飛ばして現場へ行き、直接会って謝りました。次から気をつけてね、ともう一度だけ、と言ってもらえました。
本当の犯人は、連絡手段だった
直接の原因は、私と業者の行き違いです。そこは反省するしかありません。ただ、本当の犯人はそこではないと思っています。
もしメールやチャットで一言でも残っていれば、当日その記録を示して、なんとか動いてもらえたかもしれません。
電話とFAXは確かに速い。**でも、速いだけです。** 記録が残らず、後から追えない。そして何より怖いのは、内容を分かっているのが自分だけになることです。即効性に安心してはいけませんでした。

AIと一緒に、配車の仕組みを作り直した
同じ思いはしないと決めて、プログラミングの専門家ではない自分が、AIと一緒に配車管理の仕組みを作りました。特別なことはしていません。記録が残り、状態が見えるようにしただけです。
事務員も業者もお客様も、負担が減りました。あの土曜はもうごめんですが、教訓は仕組みとして残りました。

- フォーム入力で、依頼内容が自動で社内へ通知される
- 内容がそのまま専用アプリに反映される
- 回収の1日前に、業者へ確認のアラートが飛ぶ
- 現場のメモを残して関係者へ共有できる
- 進捗を「配車手配→配車済み→配車完了→請求」で見える化する
速さより、残ること・見えること
あの日から学んだのは3つです。
電話とFAXの即効性は本物ですが、残らない・見えない・自分しか知らないが、いつか牙をむきます。連絡は後から追える形で残す。それだけで土壇場の打ち手が増えます。
そして、DXはかっこいいシステムの話ではないと思っています。**あの土曜の電話を二度と受けないための、地味な仕組みのこと**です。
一次情報・確認先
最終確認日:2026年7月26日個別案件の法的区分、許可の適合、受入可否、料金は地域と条件で異なります。所管行政、契約先、専門家へご確認ください。