実務ガイド · 区分・分別

産業廃棄物とは?20種類を「材質・工程・業種」で判断する早見表

会社から出たごみを前にして、「これは産廃なのか」で手が止まった担当者へ。先に結論をいうと、会社から出たものが全部産業廃棄物になるわけではありません。材質だけで決めず、発生工程と業種まで確認すれば、委託先へ相談できるところまで整理できます。

この記事のポイント
  • 事業活動から出たものでも、法令で定める20種類に当てはまらなければ産業廃棄物ではない
  • 紙・木・繊維など7種類は、何からできているかだけでなく排出した業種も見る
  • 迷ったら写真・材質・発生工程・量・保管場所の5点をそろえて確認する
分別ヤードで、金属くず・木くず・廃プラスチックが品目ごとに分けて置かれている様子
イメージ写真(AI生成)
STEP 01

先に結論:3つの順番で判断する

産業廃棄物かを判断するときは、①事業活動に伴って出たか、②法令で定める20種類のどれに当たるか、③業種が限定される品目ではないか、の順に確認します。

「店舗から出たから産廃」「燃えるから一般廃棄物」のように、発生場所やごみ袋の表示だけで決めると区分を誤ります。まず、何の作業から出て、何でできているかを記録してください。

産廃か一般廃棄物かを3問で確認する図。①事業活動から出たものか ②何でできているか ③業種による限定があるか の順に判断する
廃棄さん編集部 作成
現場チェック
  • 発生した作業・工程を一文で書ける
  • 主な材質と付着物を確認した
  • 紙・木・繊維・残さなどは業種条件も確認した
STEP 02

産業廃棄物20種類の早見表

20種類のうち、燃え殻からばいじんまでの12種類は、事業活動に伴って生じた場合に業種を問わず対象になります。紙くずから動物の死体までの7種類は、法令で指定された業種・工程から出た場合に限られます。最後の「政令第13号廃棄物」は、産業廃棄物を処分するために処理した後の物です。

種類主な例業種条件
1. 燃え殻焼却灰、炉清掃排出物などなし
2. 汚泥排水処理汚泥、研磨汚泥、建設汚泥などなし
3. 廃油潤滑油、切削油、溶剤、廃食用油などなし
4. 廃酸酸性の廃液、写真定着廃液などなし
5. 廃アルカリアルカリ性の廃液、写真現像廃液などなし
6. 廃プラスチック類合成樹脂くず、発泡スチロール、廃タイヤなどなし
7. ゴムくず天然ゴムくずなし
8. 金属くず切削くず、空き缶、金属製品などなし
9. ガラス・コンクリート・陶磁器くずガラス、陶磁器、石膏ボードなどなし
10. 鉱さい炉の残さい、鋳物砂などなし
11. がれき類工作物の新築・改築・除去で出るコンクリート片などなし
12. ばいじん対象施設の集じん設備で集めたものなし
13. 紙くず建設工事、紙製造、印刷物加工などから出る紙くずあり
14. 木くず建設工事、木材製造などから出る木くず。貨物流通用パレット等を含むあり(パレット等は例外あり)
15. 繊維くず建設工事や繊維工業から出る天然繊維くずあり
16. 動植物性残さ食品・飲料製造などで原料として使った動植物の固形不要物あり
17. 動物系固形不要物と畜場・食鳥処理場から出る固形不要物あり
18. 動物のふん尿畜産農業から出るふん尿あり
19. 動物の死体畜産農業から出る動物の死体あり
20. 政令第13号廃棄物上記の産業廃棄物を処分するために処理し、1〜19に当たらなくなった物元の産業廃棄物による
STEP 03

間違えやすいのは、業種が条件になる7種類

紙、木、天然繊維、食品残さなどは、材質だけでは決まりません。たとえば、一般の事務所から出るコピー用紙と、紙製造業や指定された建設工事から出る紙くずは、同じ紙でも区分が変わり得ます。飲食店の調理くずと、食品製造業が原料から出す動植物性残さも同じではありません。

木製パレットのように、業種を問わず木くずとして扱う例外もあります。「何でできているか」に加えて、「誰が、どの工程で出したか」を残してください。

STEP 04

現場で起きやすい4つの誤判定

1つ目は、会社から出た物をすべて産業廃棄物と考えること。2つ目は、「可燃」「不燃」という収集上の表示を法律上の区分だと思うこと。3つ目は、商品名だけで判断し、材質や付着物を見ないこと。4つ目は、複数素材の製品や混合袋を一つの品目で処理することです。

複合品や混合物は、写真と構成物を確認し、分けられる物を先に分けます。分別後に、産業廃棄物は委託先の許可品目、事業系一般廃棄物は所在地の市町村ルールへ照らします。

STEP 05

判断に迷ったら、相談前に5点をそろえる

相談先へ「これは何ごみですか」とだけ聞いても、判断材料が足りません。全景と近景の写真、主な材質と付着物、発生した作業・工程、1回または1か月の量、保管場所の所在地を一つにまとめます。

その情報を所管自治体または許可業者へ伝え、区分、許可範囲、受入条件を確認します。回答は担当者名と日付を含めて残すと、店舗追加や担当交代のときにも使えます。

現場チェック
  • 全景と近景の写真を撮った
  • 材質・付着物・発生工程を書いた
  • 数量と荷姿を記録した
  • 保管場所の市区町村を確認した
  • 確認先・回答日・担当者を残した
STEP 06

区分が決まった後に確認すること

産業廃棄物に該当したら、それで終了ではありません。排出事業者は、実際の品目・積込場所・運搬先・処分方法が、収集運搬業者と処分業者の許可範囲に入っているかを確認します。委託しても、排出事業者の処理責任がなくなるわけではありません。

一般廃棄物に該当する場合も、所在地の市町村が定める事業系ごみの分別・排出方法と、委託できる許可業者を確認します。全国共通の20種類と、地域ごとの受入ルールは分けて見てください。

PRIMARY SOURCES

一次情報・確認先

最終確認日:2026年7月16日
実務上の注意

個別案件の法的区分、許可の適合、受入可否、料金は地域と条件で異なります。所管行政、契約先、専門家へご確認ください。