実務ガイド · コスト・見積もり

ごみ処分費の数え方|従量と定額、㎥と㎏の選び方

毎月の請求書、その金額をいつ誰が何を根拠に決めたか言えますか。損をする原因は、高い業者を選んだことより、料金の数え方を知らないまま契約が古くなることにあります。従量と定額の違い、産業廃棄物の㎥建てと㎏建ての正体、単位の違う見積もりを比べる方法をまとめます。

この記事のポイント
  • 料金の数え方は「従量課金」と「定額」の2つしかない
  • 定額契約は静かに古くなる。半年から1年に一度、実際の量と突き合わせる
  • 軽くてかさばるなら㎏建て、重くて小さいなら㎥建てが有利になりやすい
処理施設のトラックスケール(計量器)の上に載ったダンプトラック
イメージ写真(AI生成)
STEP 01

先に結論:数え方は2つしかない

料金は複雑に見えて、数え方は従量課金と定額の2つだけです。出した量に応じて払うか、毎月いくらと決めて固定するか。どちらになるかは、ごみの種類でおおよそ決まっています。

対象主な数え方注意点
資源物(古紙・アルミ・鉄など)従量。多くは買い取り相場で単価が動く。明細は収入になる
事業系一般廃棄物定額も従量もある料金や出し方は自治体の条例で変わる
産業廃棄物ほぼ従量㎥(体積)か㎏(重量)かで実質単価が変わる
料金の数え方は従量課金と定額の2つ。資源物・事業系一般廃棄物・産業廃棄物それぞれの数え方をまとめた図
廃棄さん編集部 作成
STEP 02

資源物は、自社が売る側にいる

段ボール、雑誌、アルミ缶、鉄くず、ストレッチフィルム。売れるもの(有価物)は、捨てるというより売る側です。1kgあたり何円という単価で買い取ってもらうのが基本で、品目・地域・業者・そのときの市況で条件が変わります。

資源物の明細は費用ではなく収入です。見直したときに効果が分かりやすいのはここです。

STEP 03

定額契約は、静かに古くなる

事業系一般廃棄物の定額契約は、①月にどれくらい出るかを試算し、②数量×単価で月額を決め、③以後その金額、という順で作られます。

この契約が正しいのは、最初の試算が当たっている間だけです。売り方も仕入れも人数も変わるのに、ごみの量だけが契約書どおりに出てくれる理由はありません。少ない月は払いすぎ、多い月は業者が持ち出しになります。どちらに転んでいるかは、測り直さない限り誰にも分かりません。

契約時は想定と実際が一致していても、数年後は実際の量がずれて払いすぎか業者の持ち出しになることを示した図
廃棄さん編集部 作成
現場チェック
  • 契約書の想定数量が書かれているか確認した
  • 直近の実際の量を測った
  • 前回の見直しがいつだったか分かる
STEP 04

業者からは「見直しましょう」と言い出さない

ここは業者側の本音を書きます。得をしている契約はわざわざ触りたくないし、損をしている契約は値上げの相談になるので気が重い。どちらの場合も現状維持がいちばん楽です。悪意ではなく、人がやることの結果です。

逆に、向こうから見直しを提案してくる業者は、良心的か、数字をきちんと管理しているか、あるいは想像より業者側が損をしていたかのどれかです。いずれにしても数字を見ている業者だとは言えます。委託先を見極める材料として覚えておいてください。

STEP 05

従量の一般廃棄物は、単位が3つある

従量課金の場合、単位は主に㎏建て、袋数建て、一部地域の㎥建てです。処分料金は自治体の条例で決まります。指定袋制の地域では市販の袋は基本的に使えません。

㎥建ての地域なら、つぶせるものはつぶしてから出します。圧縮がそのままコスト削減になります。

STEP 06

産業廃棄物の㎥建てと㎏建て、それぞれの正体

産業廃棄物の処分費はほぼ従量です。問題は単位で、体積で数えるか重量で数えるかによって、実質の単価が変わります。どちらを選ぶかは技術の問題というより、どちらの都合が通ったかの問題です。

単位出す側から見た性質不利になる場面
㎏建て計量器で実測するため数字が明朗。軽い品目に有利金額が搬出後にしか分からない。重い品目は不利
㎥建て現場で金額が確定しやすい。コンテナ単位で決めやすい見た目の判断が残る。軽くてかさばる品目は割高になりやすい
STEP 07

自社の実測データがあれば、単位の壁は消える

相見積もりでA社が㎥建て、B社が㎏建て。金額だけを見比べても答えは出ません。揃えてから比べます。

ここで効くのが「この品目は1㎥でおよそ何kgか」という自社のデータです。たとえば混合廃棄物が1㎥あたり約140kg、がれき類が1㎥あたり約250kgだとします。1㎥あたり10,000円という単価を実質のkg単価に直すと、混合廃棄物は約71円/kg、がれき類は約40円/kgです。同じ㎥単価でも実質は倍近く違います。

8㎥コンテナで混合廃棄物を回収する場合、㎥建てなら8×10,000円=80,000円で固定です。㎏建てなら実際の重さ×約71円なので、分岐点はおよそ1,120kg。中身がそれより重ければ㎥建て、軽ければ㎏建てが得になります。コンテナの中身を1回測ったデータが、以後ずっと交渉の根拠になります。

ここで挙げた比重や単価は一例です。実際の数値は品目・地域・時期で変わります。

㎥建ては80,000円で固定、㎏建ては重さ×約71円。分岐点はおよそ1,120kgであることを示したグラフ
廃棄さん編集部 作成
PRIMARY SOURCES

一次情報・確認先

最終確認日:2026年7月26日
実務上の注意

個別案件の法的区分、許可の適合、受入可否、料金は地域と条件で異なります。所管行政、契約先、専門家へご確認ください。